今では、気になる相手と連絡を取ろうと思えばスマホですぐにメッセージを送れます。
LINEなら文章だけでなく、写真やスタンプも送れます。
待ち合わせ場所が分からなければ、その場で連絡できます。
マッチングアプリで知り合った相手とも、アプリ内のメッセージからLINEなどへ移って連絡を続けることがあります。
では、スマホどころか携帯電話が今ほど普及していなかった時代はどうだったのでしょうか。
そこで登場するのが**ポケベル(ポケットベル)**です。
自分も昔を振り返ってみると、現在とは連絡の感覚そのものがかなり違っていたと思います。
今回は出会い系・恋愛という視点も交えながら、当時のポケベルがどのように使われていたのか振り返ってみます。
ポケベルは基本的に「呼び出される」ためのものだった
今のスマホとポケベルは、同じ携帯端末と考えるとかなり違います。
初期のポケベルは、基本的に相手から呼び出しがあったことを知らせるための端末でした。
ポケベルが鳴ったら、
「誰かが自分に連絡を取りたがっている」
と分かる。
そして、公衆電話や自宅・会社などの電話から相手へ連絡する。
今ならスマホを取り出して、その場で返信できます。
しかし当時は、ポケベルそのものから普通の電話のように会話することはできませんでした。
つまり、ポケベルは電話そのものというより、「連絡してください」という合図を持ち歩く道具に近かったわけです。
どうやってポケベルへ連絡したのか
ここが今の感覚では少し分かりにくいところです。
相手のポケベルに何かを送りたい場合、電話を使います。
ポケベルにはそれぞれ呼び出すための番号があり、その番号へ電話をかけます。
そして電話機の数字ボタンを操作して、電話番号などを入力します。
例えば、
「この番号に電話してほしい」
という意味で、自宅などの電話番号を送る。
受信した側はポケベルの画面に表示された番号を見て、公衆電話などから電話をかけます。
今のように、
送信
↓
相手が読む
↓
その端末から返信
という単純な仕組みではありません。
ポケベルと電話を組み合わせて連絡を完成させるという感覚でした。
公衆電話がかなり重要だった
当時の連絡手段を考えるうえで欠かせないのが公衆電話です。
街中や駅などには公衆電話がありました。
ポケベルに連絡が入る。
表示を確認する。
近くの公衆電話を探す。
電話をかける。
そんな行動が普通にありました。
テレホンカードを財布などに入れていた人も多かった時代です。
今なら駅に到着した瞬間、
「着いたよ」
とスマホから送れます。
しかし携帯電話を持っていなければ、その一言を伝えるだけでも公衆電話を使う必要がありました。
この違いはかなり大きいです。
数字だけで気持ちを伝える使い方も広がった
ポケベルが若者の間に広がると、単なる呼び出しだけではなくなっていきました。
数字を組み合わせて言葉のように使う文化が生まれます。
数字の読み方や語呂合わせを利用して、短い意味を伝えるわけです。
さらに時代が進むと、文字を表示できるポケベルも登場しました。
ここまで来ると、現在の短いメッセージに少し近い感覚になります。
ただし、今のLINEのように長い文章を自由に何往復もする世界とはかなり違います。
限られた機能の中で、
「どうやって相手に意味を伝えるか」
を工夫していたところが、ポケベル時代の面白さだったと思います。
恋愛ではポケベルが重要な存在になった
ポケベルは仕事だけでなく、若者同士のコミュニケーションにも使われました。
当然、恋愛にも関係してきます。
好きな人からポケベルが鳴る。
数字が表示される。
誰からなのか考える。
電話をかける。
これだけでも一つのイベントになります。
現在ならLINEの通知が来て数秒後に返信することもできますが、当時はそうはいきません。
すぐ近くに電話がなければ返信できません。
だから、
「連絡が来たのにすぐ返せない」
ということも普通にありました。
逆に言えば、現在ほど即レスを求めることも難しかった時代です。
待ち合わせで会えないと本当に困った
今と最も違うと感じるのが待ち合わせです。
例えば、駅前で午後6時に待ち合わせをするとします。
現在なら相手が来なければ、
「今どこ?」
とメッセージを送れば済みます。
位置情報を送ることさえできます。
ところが携帯電話が普及する前は、待ち合わせ場所ですれ違うと大変でした。
「駅の東口」
と約束したつもりでも、相手が西口に行ってしまった。
それだけで会えなくなる可能性があります。
ポケベルを持っていれば連絡を入れることはできますが、結局どこかの電話から折り返してもらう必要があります。
だからこそ、
何時に、どこの、何の前で会うのか
を今以上に具体的に決めておく必要がありました。
家の固定電話へかける緊張感もあった
恋愛という意味では、固定電話の存在も大きかったと思います。
今は個人がそれぞれスマホを持っています。
電話をすれば、基本的には本人につながります。
しかし昔は家の固定電話が主要な連絡手段でした。
好きな女性の家へ電話をかけても、本人が出るとは限りません。
父親や母親が出るかもしれません。
「○○さん、いますか?」
と家族に取り次いでもらう必要があります。
今のマッチングアプリ世代からすると、かなりハードルの高い連絡方法に感じるのではないでしょうか。
ポケベルは、そんな時代に本人へ直接「連絡して」と伝えられる手段として便利だった面もあります。
現代のLINE交換に少し似ている?
出会い系やマッチングアプリを使っていると、
「LINEを交換する」
という一つの段階があります。
アプリの中だけでやり取りしていた二人が、別の連絡手段へ移る。
これは距離が少し縮まったように感じることがあります。
昔なら、
ポケベルの番号を教える
という行為にも、少し似た感覚があったのかもしれません。
もちろん時代もサービスも違うので、まったく同じではありません。
ただ、「自分へ直接連絡できる手段を相手に教える」という意味では共通するところがあります。
連絡手段は変わっても、男女の距離感には似た部分があるのが興味深いところです。
便利になった現在でも悩みはなくならない
ポケベルの時代と比べれば、今の出会いは圧倒的に便利です。
アプリで相手を探せる。
メッセージを送れる。
写真も交換できる。
待ち合わせ直前にも連絡できる。
地図も見られる。
電車が遅れてもすぐ伝えられます。
昔なら考えられないほど便利になりました。
ところが、恋愛の悩みそのものがなくなったわけではありません。
返信が遅い。
既読になったのに返事がない。
急に連絡が途切れた。
次のデートに誘っていいのか分からない。
便利になったからこそ生まれた悩みもあります。
ポケベル時代にはポケベル時代の不便さがあり、スマホ時代にはスマホ時代の難しさがあるのでしょう。
まとめ|ポケベルは「人とつながる途中」に電話が必要だった
現在のスマホに慣れていると、ポケベルはかなり不便な機械に見えます。
しかし当時としては、外出中の人へ「連絡が欲しい」と知らせられること自体に大きな意味がありました。
ポケベルに連絡が入る。
表示を見る。
公衆電話を探す。
相手に電話する。
そうやって、ようやく会話が始まる。
今なら数秒で終わるやり取りに、いくつもの段階が必要でした。
恋愛でも同じです。
好きな人からポケベルが鳴っただけでうれしかったり、電話をかけるまで緊張したりした人もいたでしょう。
そして時代は、ポケベルから携帯電話、メール、スマートフォン、LINE、マッチングアプリへと変わりました。
連絡方法は劇的に進化しています。
それでも、
「相手から連絡が来るとうれしい」
という人間の気持ちは、案外昔から変わっていないのかもしれません。
出会いの歴史を振り返ってみると、ポケベルは単なる昔の機械ではなく、現在のスマホやマッチングアプリにつながる「人と人との連絡手段」の一時代だったのだと思います。


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