出会い系サイトを使っていると、プロフィールやメッセージの中で、相手から思いがけない経歴を聞くことがある。
今回、私がやり取りした女性から聞いたのは、
「以前、大手企業で部長をしていた」
という話だった。
最初に聞いたとき、私はすぐに信じたわけではない。
出会い系では、相手が書いている年齢、職業、年収、学歴などを、そのまま事実だと思い込まないほうがいい。
「本当に大手企業の部長だったのだろうか?」
そんな疑問を持つのは自然だと思う。
ところが、実際に話をしているうちに、私は少しずつ、
「全部作り話という感じでもないな」
と思うようになった。
もちろん、本当に部長だったのか確認したわけではない。
今回は、出会い系で知り合った女性の肩書きをどこまで信じるのか、私自身の体験として考えてみたい。
最初は半信半疑だった
「元大手企業の部長」
言葉だけを聞けば、かなり立派な経歴だ。
大きな会社で管理職になり、多くの人をまとめていた女性なのかもしれない。
しかし、出会い系サイトで知り合ったばかりの相手である。
私は、
「すごいですね」
とは思ったものの、その場で事実だと決めつけることはしなかった。
出会い系では、自分を少し良く見せたくなる人もいるだろう。
これは男女に限った話ではない。
仕事を少し大きく表現したり、年収を高めに言ったり、役職を分かりやすい言葉に置き換えたりする可能性もある。
逆に、本当にすごい経歴を持っている人が利用している可能性だってある。
だから私は、
信じるか、疑うかの二択にしない
という考え方がちょうどいいと思っている。
話し方に落ち着きを感じた
私が「少し本当っぽい」と感じた理由の一つは、話し方だった。
自分の経歴を必要以上に自慢する感じではなかった。
「私は元部長だから」
と何度も肩書きを持ち出すわけでもない。
むしろ普通に会話している中で、過去の仕事の話として出てきた印象だった。
これは私にとって意外だった。
もし自分を大きく見せることだけが目的なら、もっと肩書きを強調する方法もある。
しかし、その女性には「元大手企業の部長」という言葉だけを前面に出す雰囲気があまりなかった。
もちろん、話し方が落ち着いているから経歴が本物だとは言えない。
それでも私の中では、一つの印象材料になった。
仕事の話が極端に不自然ではなかった
もう一つは、仕事について話したときの雰囲気だ。
管理職経験について細かな証拠を見せてもらったわけではない。
会社名や個人を特定できる情報を確認したわけでもない。
それでも、仕事に対する考え方や人との接し方について話していると、
「会社員としてそれなりの経験を積んできた人なのかな」
と感じる部分があった。
特に管理職というのは、自分一人で仕事をすれば終わりという立場ではない。
部下との関係。
上司との関係。
組織の中での判断。
責任。
人間関係。
そうした話題への反応を見ていると、少なくとも社会人経験そのものが浅いようには私には感じられなかった。
ただし、ここでも注意したい。
社会人として経験豊富に見えることと、本当に大手企業の部長だったことは別問題だ。
私はそこを混同しないようにした。
肩書きを証明してもらう必要までは感じなかった
もし仕事上の契約をする相手なら、話は違う。
会社名や役職、実績を確認する必要がある場合もあるだろう。
しかし今回は出会い系で知り合った相手だ。
私は履歴書を確認したいわけではない。
名刺を要求するつもりもない。
「元大手企業の部長だという証拠を見せてください」
などと言えば、普通の出会いとしてはかなり不自然だろう。
だから私の場合は、
「本当かもしれないし、多少表現が違うかもしれない」
くらいに考えることにした。
相手の経歴を100%確認できなくても、人として普通に会話することはできる。
本当っぽいと感じても信用とは別
ここは出会い系を利用するときに大事だと思う。
「この人の話は本当っぽい」
と感じることと、
「この人なら全面的に信用して大丈夫」
という判断は同じではない。
例えば、本当に大手企業の元部長だったとしても、それだけで恋愛相手として信頼できるとは限らない。
逆も同じだ。
普通の会社員だったとしても、誠実な人はいくらでもいる。
役職はその人の過去を表す一部分にすぎない。
元部長。
経営者。
医師。
公務員。
会社員。
こうした肩書きだけで、その人の人格まで判断することはできない。
出会い系では、立派な肩書きを見ると安心材料にしたくなる。
しかし私は、むしろ肩書きと人間性を分けて考えるほうが安全だと思う。
メッセージでは肩書きが大きく見える
文字だけの世界では、一つの情報が必要以上に大きく見えることがある。
「元大手企業の部長」
プロフィールにこの一文があったら、それだけで人物像を想像してしまう。
高収入だったのかな。
部下がたくさんいたのかな。
仕事ができる人なのかな。
厳しい人なのかな。
しかし、そのほとんどはこちら側の想像だ。
実際に話してみると、肩書きとは関係のない普通の話もする。
食べ物。
休日。
日常生活。
昔の出来事。
そうした会話が増えていくと、「元部長」という情報は、その女性を構成する多くの要素の一つになっていった。
私はその変化が面白かった。
「大手企業」という言葉にも幅がある
後から考えると、「大手企業」という表現自体にもかなり幅がある。
誰もが知っている巨大企業なのか。
特定業界では有名な会社なのか。
本人が大手と考えている会社なのか。
また「部長」という役職についても、会社によって役割や組織規模は違うだろう。
だから、
「大手企業の部長だった」
という一文だけから、こちらが勝手に具体的な企業や仕事の規模まで想像しないほうがいい。
私は話を聞きながら、
「そういう仕事をしていた時期があったんだな」
くらいに受け止めるのがちょうどいいと思った。
出会い系では経歴より行動を見る
結局、私がその女性について判断するとき、肩書き以上に気になったのは普段の行動だった。
メッセージに違和感がないか。
約束を守るか。
こちらの話も聞いてくれるか。
急にお金の話をしないか。
個人情報を必要以上に聞いてこないか。
相手を尊重した会話ができるか。
こうした部分のほうが、実際の出会いでは重要だと思う。
どれほど立派な肩書きでも、行動に違和感が続くなら慎重になる。
逆に肩書きが平凡でも、やり取りが誠実なら安心感は少しずつ積み上がっていく。
「ちょっと本当っぽい」で止めておく
今回の女性について、私は今でも、
「元大手企業の部長という話は、ちょっと本当っぽい」
というところで止めている。
本物だったとは断定しない。
嘘だったとも決めつけない。
証拠を確認したわけではない以上、それ以上のことは分からないからだ。
出会い系を利用していると、相手について分からない部分は必ず残る。
だからこそ、分からないものを無理に白黒つけなくてもいいと思う。
「本当かもしれない。でも確認はできていない」
この距離感で十分なこともある。
そして相手を見るときは、過去の肩書きより、今、自分にどう接しているのかを見る。
元大手企業の部長という話よりも、最終的にはそこが重要なのだと思う。
今回の出会いを通して私は、プロフィールや肩書きを疑ってばかりでも疲れるし、全部信じるのも危ういと感じた。
信じすぎない。
疑いすぎない。
そして、分からないことは分からないままにしておく。
それくらいの距離感が、出会い系で人と知り合うときにはちょうどいいのかもしれない。


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