高校生だった頃、自分にとって「出会い系」という言葉は、今とはまったく違う距離にあった。
どこかで聞いたことがある。
テレビだったのか、雑誌だったのか、それとも誰かの会話だったのか。
細かいことまでは覚えていない。
ただ、「知らない男女が何かを通じて知り合うものがあるらしい」という程度だったと思う。
もちろん、その頃の自分は利用していない。
というより、
将来、自分が出会い系サイトを長く利用するようになるとは想像すらしていなかった。
高校生だった自分に、
「大人になったらインターネットで女性と知り合うようになるよ」
と言っても、おそらく信じなかっただろう。
今回は、出会い系を使い始めた話ではなく、そのもっと前。
まだ「出会い系」というものを遠くから眺めていた頃の記憶を振り返ってみたい。
高校生の頃はインターネットが日常ではなかった
今の高校生にとって、スマートフォンは生活の一部だと思う。
友達と連絡する。
動画を見る。
SNSを見る。
検索する。
ゲームをする。
知らない人の投稿を見る。
インターネットを使って人とつながること自体は、それほど珍しいことではない。
しかし、自分が高校生だった頃は違った。
少なくとも自分の日常の中に、今のようなインターネット環境はなかった。
スマートフォンもない。
SNSもない。
マッチングアプリもない。
だから「ネットで知らない女性と知り合う」という発想そのものが、現在ほど身近ではなかった。
出会いといえば現実世界だった
高校生の頃、異性と知り合う場所といえば基本的には現実世界だった。
学校。
部活動。
アルバイト。
友達の紹介。
同じ地域。
そういう場所で知り合う。
学校に行けば同級生がいる。
クラスに女子がいる。
別のクラスにもいる。
何かのきっかけで話す。
そこから仲良くなる。
つまり「出会い」というものは、自分が生活している範囲の中で起きるものだと思っていた。
今のように、スマートフォンを開けば自分の生活圏とはまったく違う人が表示される世界ではなかった。
「出会い系」という言葉だけは耳にした
そんな時代でも、「出会い系」のようなものについて耳にした記憶はある。
ただ、現在のようにサービスを比較したり、
「どれが自分に向いているだろう」
と考えたりすることはなかった。
単なる知識だった。
世の中には、そういう方法で男女が知り合う仕組みもあるらしい。
それくらいだ。
自分とは関係のない世界。
そう感じていた。
今振り返ると、この距離感が面白い。
何十年か後には、自分自身がその世界について体験談を書くようになっているのだから。
当時は「知らない人と連絡する」こと自体が不思議だった
今ならSNSで知らない人からメッセージが届くこともある。
オンラインゲームで初対面の人と会話することもある。
しかし昔は、知らない人と直接連絡を取ること自体がかなり特殊に感じられた。
電話番号を知らなければ電話できない。
住所を知らなければ手紙も送れない。
基本的に、相手を先に知っている必要がある。
ところがオンラインの出会いでは順番が逆になる。
まず知らない人を見る。
メッセージを送る。
話してから相手を知っていく。
この仕組みは、昔の自分からするとかなり不思議だったと思う。
高校生の自分は将来をまったく想像できていなかった
高校生の頃、自分が将来どんな生活をしているかなんて分からなかった。
どんな仕事をするのか。
どこに住むのか。
誰と付き合うのか。
結婚するのか。
どんな趣味を持つのか。
もちろん分からない。
それでも何となく、
「大人になれば自然に誰かと知り合うのだろう」
くらいには考えていたのかもしれない。
出会い系サイトを利用して女性と知り合う未来など、選択肢として頭の中になかった。
大人になると出会いの環境が変わる
高校を卒業する。
大学へ行く。
社会人になる。
仕事をする。
年齢を重ねる。
すると学生時代とは環境が変わってくる。
高校なら毎日のように同年代の男女が同じ建物にいる。
社会人になると必ずしもそうではない。
職場に異性が少ないこともある。
いても恋愛対象になるとは限らない。
仕事とプライベートを分けたい人もいる。
転職したり、引っ越したりすれば人間関係も変わる。
大人になるほど、意識して動かなければ新しい人と知り合う機会が減る場合もある。
そこでオンラインの出会いが選択肢に入ってくる。
出会い系が現実の選択肢になった
いつからだったのだろう。
高校生の頃には遠い存在だったものが、いつの間にか自分にとって現実的な選択肢になっていた。
サイトを見る。
登録する。
プロフィールを書く。
女性を探す。
メッセージを送る。
返信が来る。
やり取りを続ける。
そして場合によっては実際に会う。
最初は不思議だったことも、利用を続ければ普通になっていく。
人間は慣れるものだ。
初めて返信が来る感覚
オンラインでの出会いには、学校や職場とは違う感覚がある。
相手の顔が目の前にいるわけではない。
まずプロフィールを見る。
文章を書く。
送信する。
そして待つ。
返信が来る。
画面の向こうに実際の人がいる。
当たり前のことなのだが、最初の頃はそれだけでも新鮮だった。
高校生だった自分がこの光景を見たら、どう思っただろう。
「本当に知らない女性から返事が来るの?」
と驚いたかもしれない。
実際に会うとさらに不思議だった
オンラインで知り合った相手と実際に会う。
待ち合わせ場所へ行く。
そして、
「初めまして」
となる。
これも考えてみれば不思議だ。
数日前、数週間前までは、お互いの存在すら知らなかった。
それがインターネットを経由して連絡を取り、同じ場所に立っている。
高校生の頃の出会いなら、まず学校などで顔を合わせてから関係が始まる。
オンラインでは、文章から始まることもある。
出会いの順番そのものが違う。
良い経験だけではなかった
もちろん、出会い系を使えばすべてうまくいくわけではない。
返信が来ない。
途中で連絡が途切れる。
約束まで進まない。
会えない。
お金を使いすぎる。
期待したものと違う。
いろいろなことがある。
実際に使ったからこそ、
「こんな世界だったのか」
と分かった部分も多い。
外から想像していた出会い系と、実際に利用した出会い系は同じではなかった。
危険性についても考えるようになった
便利な一方で、知らない人と出会う以上、注意も必要になる。
プロフィールに書かれている内容がすべて事実とは限らない。
写真だけで相手を判断することもできない。
怪しい勧誘や金銭目的などに警戒が必要な場合もある。
個人情報を最初から必要以上に教えない。
初対面では人目のある場所を選ぶ。
違和感があれば無理して会わない。
長く使えば使うほど、出会う方法そのものよりも、こうした基本的な安全意識のほうが重要だと感じるようになった。
出会い系に対するイメージも変わった
利用する前は、「出会い系を使う人」は自分とは違う人たちだと思っていた部分もあった。
しかし実際に使ってみると、当然ながらさまざまな人がいる。
会社員。
自営業。
学生ではない普通の社会人。
仕事をして、休日を過ごし、その中で新しい出会いを探している。
もちろん利用目的も人それぞれだ。
恋人が欲しい人。
話し相手を探している人。
気軽に会える相手を探している人。
すべてを一括りにはできない。
自分自身が利用者になったことで、「利用者」と「それ以外」という単純な分け方はできないと分かった。
時代そのものが大きく変わった
高校生の頃から現在までを考えると、出会い方だけでもかなり変わった。
パソコン。
携帯電話。
インターネット。
スマートフォン。
SNS。
マッチングサービス。
技術が変わるたびに、人と人が知り合う方法も増えてきた。
今ではスマートフォンの画面を数回操作するだけで、自分の日常では接点のない人を見ることができる。
高校生の自分から見れば未来の世界だ。
でも現在では、それが普通になっている。
「怪しい世界」だけで終わらせなくなった
出会い系には当然リスクがある。
だから警戒は必要だ。
しかし、長く利用した今では「怪しいから全部ダメ」という単純な見方もしなくなった。
重要なのはサービスの仕組みを理解すること。
相手をすぐ信用しすぎないこと。
自分のお金を管理すること。
個人情報を守ること。
そして相手を一人の人間として尊重すること。
道具そのものより、使い方が重要なのだと思う。
もし高校生の自分に話せるなら
もし高校生だった自分と話せるなら、少し面白い会話になると思う。
「将来、出会い系を使うぞ」
と言う。
たぶん、
「本当に?」
と聞き返される。
さらに、
「そこでいろいろな女性とメッセージをする」
と話す。
そして、
「その経験を何年も後にブログの記事にしている」
と伝える。
ここまで来ると、まず信じてもらえないだろう。
人生は分からない。
そのとき自分とは無関係だと思っていたものが、後になって自分の人生の一部になることがある。
昔の自分が知らなかった世界
高校生だった頃、「出会い系」という言葉を耳にした。
でも、それだけだった。
その世界の中身は知らなかった。
自分が利用するとも思わなかった。
女性とメッセージをすることも想像していなかった。
実際に会うことも。
うまくいくことも。
失敗することも。
お金を使うことも。
そして、その体験を文章として残すことも。
何も分からなかった。
それが普通だった。
まとめ|言葉だけ知っていた世界に自分が入った
高校生の頃、自分にとって出会い系サイトは「聞いたことがあるもの」でしかなかった。
自分とは遠い世界。
利用する理由もない。
仕組みもよく分からない。
そんな存在だった。
それから年月が流れ、自分自身が利用する側になった。
実際にメッセージを送った。
返信を待った。
人と知り合った。
会えたこともあれば、会えなかったこともある。
期待したこともあれば、失敗したこともある。
利用する前には分からなかったことを、実体験として知ることになった。
振り返ってみると面白い。
人間は将来自分が何をしているか、本当に分からない。
高校生の自分にとって「出会い系」は、どこかで耳にしただけの言葉だった。
それが何十年か後には、自分の経験として語れるものになった。
昔は名前しか知らなかった世界に、いつの間にか自分自身が入っていた。
この変化そのものが、自分にとって一つの時代の記録なのだと思う。


コメント