彼女が私のアパートに来て、カレーライスを作ってくれた日のこと

恋愛ログ

出会い系サイトを長く使っていると、いろいろな出会いがある。

メッセージだけで終わった人もいれば、一度会って終わった人もいる。

何度かデートした人もいる。

そして中には、何年たっても妙に覚えている出来事がある。

僕の場合、その一つが彼女が僕のアパートに来て、カレーライスを作ってくれたことだ。

高級レストランへ行ったわけではない。

豪華な旅行をしたわけでもない。

普通のアパートで、普通のカレーライスを食べただけだ。

それなのに、今になって振り返ると、こういう何でもない時間のほうが強く記憶に残っている。

今回は出会い系サイトで知り合った彼女との、そんな一日のことを書いてみたい。

出会い系で知り合った彼女

最初は当然、ネット上でのやり取りだった。

出会い系サイトでは、プロフィールを見て、メッセージを送って、返事が来るところから始まる。

最初から恋人になるなんて分からない。

そもそも実際に会えるかどうかさえ分からない。

メッセージが続いても突然返信がなくなることもあるし、会う約束をしても予定が変わることもある。

僕も長く利用してきたので、そういう経験は何度もしている。

だから一人の女性とのやり取りが始まったからといって、最初から特別な未来を想像していたわけではなかった。

でも、やり取りが続く。

実際に会う。

また会う。

そうやって少しずつ距離が近くなっていった。

ネット上のプロフィールだった人が、いつの間にか「彼女」になっていた。

出会いというのは不思議なものだ。

彼女がアパートに来た

ある日、彼女が僕のアパートに来ることになった。

外で待ち合わせをして食事をするデートとは少し違う。

自分が生活している場所に彼女が来る。

これだけでも、僕にとっては距離が一段近くなったような感じがした。

部屋は特別な場所ではない。

普通に生活しているアパートだ。

毎日寝る。

テレビを見る。

食事をする。

一人で過ごす。

いつもなら自分しかいない空間に、その日は彼女がいる。

それだけで部屋の雰囲気が変わる。

同じ部屋なのに、いつもとは違って見えた。

「カレーを作る」という時間

そして彼女がカレーライスを作ってくれた。

カレーという料理も特別ではない。

家庭料理の代表みたいなものだ。

肉。

ジャガイモ。

ニンジン。

タマネギ。

ルー。

家庭によって材料や作り方は違うだろうが、誰でも一度は食べたことがあるような料理だ。

だからこそ、僕にはよかったのかもしれない。

レストランで完成された料理が運ばれてくるのとは違う。

材料を用意する。

切る。

鍋で調理する。

煮込む。

出来上がるまで待つ。

その一連の時間がある。

料理そのものだけではなく、料理が完成するまでの時間も一緒に過ごす。

そこに家で食べる料理の良さがある。

カレーの匂いが部屋に広がる

カレーを作ると、部屋の中に匂いが広がる。

普段、自分一人でいる部屋にカレーの匂いがする。

しかも自分で作っているのではなく、彼女が作っている。

これは少し不思議な感覚だった。

料理を作ってもらうというのは、単純に食事が用意されることとは違う。

自分のために時間を使ってくれている。

手を動かしてくれている。

そのこと自体がうれしい。

もちろんカレーライスだから、ものすごく複雑な料理というわけではない。

でも料理の価値は、難易度だけでは決まらないと思う。

誰が作ってくれたのか。

どんな状況で食べたのか。

そこまで含めて一つの食事になる。

出来上がるまで待っている時間もよかった

カレーは作り始めてすぐ食べられるわけではない。

少し待つ。

その待っている時間も覚えている。

外食なら注文して料理が来るのを待つ。

家では少し違う。

料理している姿がある。

鍋がある。

カレーの匂いがする。

もうすぐ食べられると分かる。

何気ない会話もする。

今になって考えると、完成したカレーだけが思い出なのではない。

カレーが出来上がるまでの普通の時間そのものがデートだったのだと思う。

二人で食べるカレーライス

そして出来上がったカレーを食べた。

自分の部屋で彼女が作ったカレーを、二人で食べる。

ものすごい出来事が起きたわけではない。

ただ食べる。

「おいしい」

そんなことを言いながら食べる。

それだけだ。

でも一人で食べるカレーとは明らかに違った。

一人なら、食べ終わればそれで終わる。

テレビやスマホを見ながら食べることもある。

しかし好きな人と一緒なら、食事そのものが会話になる。

同じものを食べる。

同じ時間を過ごす。

それだけで満足感が変わる。

高級料理より覚えている

これまでいろいろなものを食べてきた。

外食もした。

それなりの値段の料理を食べたこともある。

でも不思議なことに、値段の高い料理ほど強く記憶に残るとは限らない。

彼女が作ってくれたカレーライスは、料理だけを金額で考えれば高級料理ではない。

それでも覚えている。

なぜだろう。

たぶん、料理の味と感情が結びついているからだと思う。

カレーの味だけを記憶しているのではない。

彼女が部屋にいたこと。

料理を作っていたこと。

一緒に食べたこと。

その日の空気。

そういうものが全部一緒になっている。

だから忘れにくい。

出会い系のイメージとは違う時間だった

出会い系サイトという言葉には、人によってさまざまなイメージがあると思う。

すぐに会う。

軽い関係。

危険。

怪しい。

そんな印象を持っている人もいるだろう。

実際、利用するなら安全面には注意したほうがいいし、相手をよく知らない段階で無理をする必要もない。

ただ、僕自身の経験では、すべての出会いが刺激的だったわけではない。

むしろ記憶に残っているのは、今回のような普通の時間だったりする。

部屋に来る。

料理をする。

カレーを食べる。

話をする。

恋人同士なら珍しくない光景かもしれない。

でも出会い系サイトのプロフィールから始まった関係が、そこまで進んだ。

その変化を考えると面白い。

家に招くのは信頼関係ができてから

ここは体験談とは別に書いておきたい。

今回の記事を読んで、

「出会い系で知り合ったらすぐ家に呼べばいい」

という話ではない。

僕はそういうことを勧めたいわけではない。

ネットで知り合った相手の場合、最初は人のいる場所で会うほうが安心だ。

何度か会う。

話をする。

相手を知る。

お互いが安心できるようになってから距離を縮める。

自宅という場所は住所や生活圏が相手に分かる場所でもある。

特に知り合って間もない相手を自宅へ招くことにはリスクもある。

僕の体験と、安全な出会い方は分けて考える必要がある。

これは長く出会い系サイトを使ってきたからこそ感じることでもある。

「作ってもらった」という記憶

自分でカレーを作ることはできる。

スーパーでレトルトカレーも買える。

店へ行けばカレーを食べられる。

だから「カレーを食べる」だけなら難しいことではない。

でも、

彼女が自分のために作ってくれたカレー

は、自分では再現できない。

同じルー。

同じ肉。

同じ野菜。

同じ作り方。

仮に完全に再現しても、たぶん同じ味には感じない。

料理には、誰が作ったかという情報まで入っているからだ。

これは数字では測れない。

一人で食べるようになって分かること

一人で食事をすること自体は嫌いではない。

好きな時間に食べられる。

好きな店へ行ける。

自分のペースで食べられる。

一人飯には一人飯の良さがある。

でも、一人で食べる時間が増えるほど、誰かと食べた昔の食事を思い出すことがある。

豪華な料理ではない。

普通のカレー。

普通の食卓。

普通の会話。

その「普通」が、後になって特別だったと気づく。

そのときには何とも思わなかった時間ほど、後になって価値が分かることがあるのかもしれない。

カレーを見ると思い出すことがある

今でもカレーライスを食べる。

店でも食べる。

家でも食べる。

カレーはどこにでもある。

だからこそ、ときどき昔の記憶が突然戻ってくる。

「あのとき、彼女が作ってくれたな」

と思う。

出会い系サイトを長く使ってきて、いろいろな経験をした。

うまくいったこともある。

うまくいかなかったこともある。

連絡が途切れた人もいる。

会えなかった人もいる。

でも、その中にこういう静かな思い出も残っている。

出会った先にあった普通の一日

出会い系サイトは、出会うための入口にすぎない。

プロフィールを見る。

メッセージを送る。

会う。

そこまでは「出会い系サイトの体験」だ。

でも、その先で二人の関係が続けば、やがてサイトとは関係のない時間が増えていく。

買い物をする。

散歩する。

話をする。

そして、家でカレーを食べる。

僕が覚えているのは、まさにそんな時間だ。

彼女が僕のアパートに来てくれた。

台所に立った。

カレーライスを作ってくれた。

二人で食べた。

文章にすると、それだけの話だ。

それでも何年たっても覚えている。

出会い系サイトで本当に印象に残る出来事は、派手な成功談ばかりではないのかもしれない。

好きな人が自分の部屋でカレーを作ってくれた。

そんな普通の一日が、後になって一番思い出深い一日になることもある。

今カレーライスを見ると、僕はときどきあの日を思い出す。

カレーの味以上に覚えているのは、

一人だった部屋に彼女がいて、一緒に食事をしていた時間そのものだ。

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