【12月でも紅葉】新宿御苑デートが最高だった話|まだ間に合う秋の景色

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12月の頭、少し肌寒い風が吹いていた日。群馬に住む私は、「もう紅葉は終わったな」と思っていたのだけど、彼女から「新宿御苑いこ?」とLINEが届いた。仕事終わりに電車に乗り、約2時間。少し緊張しながら新宿へ向かった。

JR新宿駅を降り、南口から御苑へ歩いていくと、街のクリスマス装飾とイルミネーションがちらほら。冬の匂いが混ざった冷たい空気が、胸の奥をキュッと締めるような、あの感じ。恋の季節ってこういう時に訪れるのかもしれないし。

大木戸門で待ち合わせした。改札を抜けた瞬間、金色に染まるいちょう並木が目に飛び込んできた。群馬ではすっかり落葉して寂しい景色になっていたのに、ここ東京では紅葉がまだ元気に枝を広げていた。黄色や赤、オレンジが重なり合って、まるで絵画の世界。
「すごいね。まだこんなに残ってるんだ」
彼女は少し笑って、「東京はゆっくりなんだよ」と言った。その言い方が優しくて、電車で来てよかったと思えた。

園内を歩きながら、池のほとりのベンチで少し休憩。風が吹くたびに、ひらりと葉が落ちてくる。ふたりで見上げた空は冬らしく薄い青で、だけど木々の色が寂しさを埋めてくれていた。

話題はたわいもないこと。仕事の疲れ、好きな音楽、昔の恋、そして「また会えるかな」と聞けないままの気持ち。それでも、不思議と沈黙が怖くなかった。横に誰かがいるだけで安心できる瞬間、久しぶりだった。

園内のスタバで抹茶フラペチーノを頼んだ。温室の前に座って飲む甘さは、普段より少し特別に感じた。
「群馬の紅葉もう終わってた?」
「うん、もうカサカサだった。でも今日見れてよかった」
そう言うと、彼女はふわっと微笑んだ。その笑顔が紅葉よりも綺麗だったのは、ただの自惚れではないと思う。

帰り道、門が閉まる時間になり、名残惜しく外へ出る。日が落ちると東京の光が強くなる。少し離れると、さっきまでの温かい時間が夢だったみたいに薄れてしまいそうで、駅までの道をゆっくり歩いた。

恋って、特別なイベントより、こういう何気ない日常の1ページが心に残る。派手な告白もなかったし、手すら繋げなかった。でも、あの紅葉の色は今も鮮明に思い出せる。
「また来ようね」
彼女はそう言った。未来形のその言葉だけで、帰りの電車では少し胸が熱くなった。

群馬ではもう終わっていた紅葉が、東京ではまだ咲いていたように。恋も場所とタイミング次第で、まだ続けられる。そんな希望を残してくれた1日だった。

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