俺は昔から、なぜか“ピアノの先生”と縁がある。
ひとり目は、小学生のときに習っていた女性の先生。
クラシックの話になると目を輝かせる人で、練習が嫌で行きたくない日でも、
先生の前に座ると不思議と落ち着いた。
中学生になると、今度は学校の音楽の先生。
この人もピアノが得意で、放課後に音楽室で試験曲を練習すると、
「そこはもっと優しく」と俺の手を添えてくれた。
あの距離の近さは、いま思い返しても少しドキッとする。
大人になってからも縁は続いた、、
(似てる記事)↓
【体験談】中学の音楽の先生と今も続く不思議なご縁|大人になって気づいた優しさ
友人に連れて行かれたカフェで出会った女性が、
「昔ピアノの先生やってたの」と笑顔で話し始めたとき、
“またか”と思った。
でも、なぜか嬉しかった。
ピアノの先生というだけで、どこか安心できるような感覚がある。
振り返ると、ピアノの先生には共通点がある。
人を受け止める力が強い。
生徒の気持ちを読み取り、緊張していれば優しく声をかけ、
焦っていれば落ち着かせてくれる。
その柔らかい空気に、俺は昔から惹かれてきた。
出会い系を使っていた時期にも、偶然ピアノの先生とマッチングした。
その人は大人で落ち着いていて、
初対面なのに妙に話しやすかった。
ピアノの先生には“人を安心させる雰囲気”があるのだと思う。
デートの帰り道、彼女は
「あなたみたいに音に敏感な人、好きよ」と言った。
ピアノの鍵盤を触るような指先で、
そっと腕をつままれた瞬間、
過去に出会った先生たちの記憶が一度に重なった。
もしかしたら俺は、
ピアノそのものよりも、
ピアノを教える“女性の優しさ”に惹かれていたのかもしれない。
人生には不思議な縁がある。
俺がなぜここまでピアノの先生と関わってきたかはわからない。
でも、彼女たちとの出会いが、
どれも俺の心を少しだけ癒してくれたことは確かだ。
いまも思い出す。
鍵盤の白と黒の世界で、そばに座ってくれた先生たちの表情を。
その縁がまたどこかでつながる日が来たら——
俺は迷わず、その音に近づいてしまうのかもしれない。


コメント