2020年代、俺は「友達作りTalk」をけっこう使っていた。
マッチングアプリよりもライトで、SNSよりも距離が近い。
とにかく気軽に話せる相手が見つかるから、気づけば毎日のように開いていた。
最初は暇つぶしだった。
「誰か話しませんか?」
みたいなメッセージに適当に返していただけ。
だけど、返事をしてくれる相手が思った以上に多くて、
気づけばいろんな年齢・職業の人と仲良くなった。
夜中にゲームを一緒にする相手もいれば、
仕事終わりに突然「今から飲みに行けません?」と誘ってくれる人もいた。
完全に初対面なのに、なぜか会ってみることに抵抗がなかった。
あるときは、
「星を見たいからドライブしない?」
と言われて、深夜の道を走り、山の上で缶コーヒーを飲んだ。
また別の日は、
仕事を辞めたばかりの男性と朝まで語り合った。
アプリの名前は“友達作り”だけど、
出会う人の悩みや背景はそれぞれ深くて、
毎回ドラマみたいだった。
もちろん女性とも会った。
恋愛目的ではなく、ただ話してみたいという人も多かった。
印象的だったのは、
「彼氏と別れて寂しくて、誰かと話したかった」
という女性。
夜にファミレスで会って、他愛ない話をしただけなのに、
「気が楽になった。ありがとう」
と泣かれたこともある。
2020年代は、SNSも出会い系も加速していて、
「会おうと思えばすぐ会える」時代だった。
友達作りTalkは、まさにその象徴みたいなアプリ。
距離感が軽くて、でも人の内側は重い。
そんな絶妙なバランスの中で、
俺はたくさんの人と繋がった。
遊んだ回数は数えきれない。
けれど不思議と、嫌な思い出は少ない。
むしろ、
「人ってこんなふうに簡単に繋がれるんだ」
という驚きと、
「知らない誰かと話すだけで気持ちが救われる瞬間がある」
という発見の方が大きかった。
2020年代のあの時期、
俺は“人と会うことそのもの”を楽しんでいたのだと思う。
今はそこまでアプリを使っていないけれど、
ふと寂しくなったとき、
あの頃の通知音や、深夜のドライブの景色を思い出す。
友達作りTalkで出会った人たちは、
もう連絡先が消えてしまった人も多い。
だけど、あの出会いの連続は確かに俺の中に残っている。
大人になってから、
あんなふうに誰かと気軽に遊べた時間は
もうなかなかないのかもしれない。


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