2025年12月、冬の新宿。
私は好きな女の子と、新宿御苑の「大木戸門」で待ち合わせをした。
地図で見ると大きな公園だけど、実際に向かうと都会の真ん中にあるとは思えないほど静かで、入り口の前には紅葉を見に来た人たちが並んでいた。
私の心臓はずっとドキドキしていた。理由は簡単で、今日は久しぶりのデートだったからだ。
大木戸門前は思っていた以上に人が多かった。観光客、カップル、家族連れ…。
その中に彼女が立っていて、マフラーを巻いた姿がやけに可愛く見えた。私を見つけると微笑んで手を振ってくれた。その瞬間だけで来て良かったと思った。
入園ゲートまでの数分間、会話はぎこちなかった。緊張のせいか、私はうまく言葉が出てこない。
でも彼女はゆっくり歩きながら「冬の紅葉も悪くないね」と言った。
その一言で少し肩の力が抜け、私たちはようやく自然に話せるようになった。
中に入ると紅葉はまだ残っていて、オレンジと赤が広がっていた。
園内はかなり混んでいて、人気の撮影スポットには人が集まっていた。
でも時々ベンチに座ると、風が落ち葉を舞わせて、ふたりきりの時間が流れる瞬間があった。
「こういう場所を一緒に歩けるのっていいな」
彼女がそう呟いたとき、私は心の中でガッツポーズした。
歩き疲れたら売店で温かい飲み物を買って休憩です。
ベンチに座りながら話すと、彼女は最近の仕事の悩みから、将来のことまで色々と話してくれた。
私はただ聞いていたけれど、表情で感じた。
彼女は強いけれど、寂しさも持っている人だと。
その弱さも含めて、ますます好きになってしまった。
帰り際に、出口付近で人混みに流されそうになりながら歩く。
「また来よっか」
と言われた瞬間、私は今日のデートがうまくいったことを理解した。
告白も手も繋げなかった。でも、確かな一歩だった。
冬の新宿御苑、大木戸門での思い出は、今も温かいまま胸に残っている。
恋は豪快な花火ではなく、静かに積み重なる落ち葉のようなものかもしれない。
派手じゃなくても、確かに積もっていく。


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