出会い系アプリ「Pairs(ペアーズ)」を使っていた頃、まさか自分が強制退会になるなんて思ってもいなかった。今だから笑えるけれど、当時はかなりショックで、スマホを握りしめたまま数分動けなかったほどだ。通知には簡潔にこう書かれていた。
利用規約違反のため、アカウントを停止しました。
理由はわからないです。でも、心あたりがまったくないわけではなかった。ある女性とメッセージを重ねていたものの、途中から返信が一方通行になり、焦りから少ししつこく送ってしまった。既読スルーに耐えられず、何度も「いつ会える?」と聞いたあの日。もしかしたら、あれが良くなかったのかもしれない。
Pairsは女性保護が強いアプリと言われている。迷惑だと通報されれば、男性側は基本的に弱い立場になる。事実確認よりも安全優先。通報数が一定ラインに達すれば、機械的に停止されることもあると噂で聞いていた。その時、僕はそれを身をもって知った。
強制退会されたアカウントは復旧が難しい。問い合わせてもテンプレ回答だけ、再登録しても本人確認で弾かれるケースが多い。僕も例外ではなく、再ログインしようとしても画面は冷たく拒むだけだった。プロフィール、マッチ履歴、メッセージ──全部消えた。正直、胸に穴が空いた感じがした。
ただ、時間が経ってみると学びもあった。「好意は追いすぎないこと」。相手のペースを尊重すること。既読がつかない日があっても、それだけで縁が切れるわけではない。気持ちに余裕を持つことが大事だと、今は思えるのだ。
強制退会になったと言うと、恥ずかしい経験だと思われるかもしれない。でも、今考えれば出会いの世界では誰にでも起こり得ることだ。コミュニケーションの温度差、相性、タイミング。通報される=悪い人ではない。たまたま歯車が合わなかっただけのこともある。
後日、別アプリで新しい出会いがあり、長くやり取りが続いた女性もいた。Pairsでの失敗があったからこそ、返信スピードや距離感に気を配れた。あの強制退会は無駄じゃなかったのだと思う。
これを読んでいる人がもし今、退会処分を受けて落ち込んでいるなら伝えたい。
終わりじゃない。アプリはひとつじゃない。出会いはまだ、どこかにある。
ふられたらまた立てばいい。ブロックされたら別の場所で笑えばいい。Pairsで強制退会された僕が、また恋愛を続けられているのだから。


コメント