──出会いアプリで出会った、一つの「ゆっくり進んだ恋」の話
出会い系でマッチングした彼女と初めて会ったのは、忘れもしない夕暮れだった。カフェで待ち合わせ、ぎこちない笑顔で「はじめまして」と言い合った。あの瞬間の胸のドクンという音は、今でも鮮明に思い出せる。彼女は少し緊張していて、でも時々ふっと柔らかい笑顔を見せた。その笑顔が、僕にはたまらなく良かった。
初デートは映画とカフェ。手は繋がなかった。距離も縮まったようで、まだ遠かった。LINEは続いたり止まったり…。恋は勢いではなく、呼吸みたいにリズムがある。今思えば「追いすぎず、でも消えない距離」が必要だったのかもしれない。
そして時間は流れた。忙しさ、生活、温度差。気づけば会わないまま数ヶ月。正直、恋はもう流れていくものだと思っていた。だけどある日、ふとLINEしてみたら返事が来たのだ。「久しぶりだね。」それだけで胸が熱くなった。
その返信は短かったのに、すべてが蘇った。
そして二回目のデートは、なんと8か月ぶり。正直ほぼ奇跡みたいな再会だと思う。駅で再び会った彼女は、前より少し大人っぽく見えた。僕も変わった。それぞれの日々が積み重なって、また同じ場所に立った。昔より会話が自然で、沈黙すら心地よかった。
ただ、恋愛は現実だ。感情だけで転がるほど甘くない。二回目のデートのあと、急に距離が縮まったわけじゃない。三回目の予定も簡単には決まらなかった。でも、あの日の再会のおかげで「人はまた繋がれる」と知った。諦めて終わる恋もある。でも、細い糸みたいにゆっくり続く恋だってある。
大切なのは、無理に結論を急がないことだと思ったのだ。
出会い系は当たりも外れもある世界。でも本物に出会える可能性もある。
僕はひとつ学んだ──
「追いすぎない。忘れずに、でも焦らずに。」
相手のペース、自分のペース。その重なった場所が「縁」になる。
もし今、いい感じだった人と会えなくなったとしても、すべてが終わりじゃない。8ヶ月経っても、また笑い合えた僕がいる。恋はタイミング。小さなきっかけで、物語はもう一度動くことがある。
出会いアプリは冷たい場所じゃない。
ちゃんと向き合えば、心の芯が温かくなる瞬間がある。
僕はそれを知った。
そして今日もまた、胸のどこかで彼女を思い出している。


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